LIXILは、2026年3月期までに高性能窓(熱貫流率2.33W/(㎡・K)以下の製品)比率100%を掲げている。2021年3月期の74% から高性能窓比率100% 達成に向け、すべての窓シリーズ(アルミ窓、ハイブリッド窓、樹脂窓)の高性能化を推進する。
その一環として2021年8月、樹脂窓「EW」を発売した。トリプルガラス仕様では世界トップクラスの断熱性能(熱貫流率0.79W/(㎡・K))※1を達成している。また、EW の特筆すべき点は、資源の循環利用の観点からモノづくりを考え、プラスチックのリサイクルに配慮している点だ。環境先進国ドイツのプロファイン社から学び共同で開発。製造工程で発生する樹脂の「端材」を再利用するシステムを構築し、引違い窓の樹脂フレームのリサイクル材使用率を従来品の約3倍※2に拡大している。
記者の目
廃棄物の中でも建設系廃棄物の処理は難しいと言われている。工場の中で分別して廃棄物処理工場に持ち込むことが可能だが、住宅などを解体して発生する建設系廃棄物は、様々なものが混じり合い、分別することが難しいためだ。現状、樹脂サッシは住宅の解体時のリサイクルの仕組みが確立されておらず、多くは産業廃棄物として処理されている。しかし、住宅高性能化のニーズに高まりで採用が増加する中、今後、樹脂サッシをリサイクルし、資源を循環させる取り組みが求められる。こうした状況に一石を投じようとLIXILが開発したのがEWだ。真の意味でSDGsに貢献していくために、メーカーには、商品の販売から50年後、どのように寿命を終え、リサイクルされるのかまで見据えた商品開発が求められている。EWはリサイクル樹脂サッシの先駆けとなる商品として注目を集めそうだ。
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