
DLT(Dowel Laminated Timber)は、木材を木ダボで接合した木質パネル。接着剤は使わずに、木材に深孔を開けて木ダボを通すという簡易な製法で製造される。木材の加工性を生かした多彩な表面意匠が可能で、意匠材・構造材として活用が可能だ。CLTや集成材など、接着剤で積層する構造材に比べ、製造方法がローテクでシンプルなため、大型の設備がない中小の製材所なども地域材を活用して製造ができる。そのため、DLTが考案された欧州では、ドイツ南部やスイスの山間部に中小規模のDLT製造工場が点在し地域の木材を活用している。素材生産から加工、利用までの流れが地域の中で成立しており、小さな地域社会の中で限られた木材資源などを有効活用し、地域経済を回す。加えて、DLTは他の木質パネルと異なり、丸身等を含む建築用途では使い難いB 材・C 材もパネル化し有効活用が可能となる。こうした点が評価され2020年度グッドデザイン賞を受賞した。