近年様々な制震装置が登場してきているが、「壁倍率を取得しておらず、建築基準法の規定外での設置となる」「可燃物をダンパーに使用している」「温度や地震速度など外部条件により性能が変わる」、また、「重い」「ビス本数が多いので施工が大変」といった課題があった。
こうした課題すべてを解消する筋交い型の制震ダンパーとして注目を集めているのがアイディールブレーンが開発したミューダムだ。
繰り返しの地震にも安定した性能を発揮
ミューダムでは、「金属流動」という現象を利用することで、優れた制震性能を付与した。金属流動とは、アルミと鋼材を押し付けたまま滑らそうとすると、すぐに2 つの金属が接する界面で焼き付き、アルミ本体が流動する現象。一般的な金属同士の摩擦では、金属自体が摩耗し抵抗力が低下するのに対して、金属流動では、そうした現象が一切なく抵抗力を保持し続ける。この抵抗力で地震エネルギーを熱エネルギーに変換し、地震力を低減する。温度や速度に影響されず、繰り返しの地震にも安定した性能を発揮。
同社では、壁倍率2 倍の大臣認定を取得し、「ミューダムR」として2015 年から先行して販売を開始。2016 年には壁倍率4 倍の大臣認定を取得して「ミューダムZ」として発売した。これらを組み合わせて、外周壁、内壁に効率的に配置することで、壁枚数を減らしながら耐震性、制震性の向上が図れる。