内装塗料市場の開拓に向けた動きが活発化
日本では、戸建住宅、集合住宅を問わず、内装の仕上げには主に壁紙が用いられている。そのうち9割以上が塩化ビニール樹脂系の壁紙が占めている。世界の壁装事情を見ると、この状況は特異であるようだ。例えば、アメリカでは石膏ボードの上に直接パテで処理を行い水性塗料で仕上げるドライウォール工法が普及している。ヨーロッパでは、漆喰壁、壁紙、塗装仕上げなど様々なものが普及。1990年代後半からはドイツを中心に不織布を使用した壁紙が増加している。こうしたなかで日本の塗料メーカー各社は、壁紙一辺倒の国内の内装市場に対して「塗料で仕上げる」という新しい価値を提案する動きを加速している。
色ムラを楽しむ内装塗料を開発
なかでも日本ペイントは、色ムラを楽しむ内装塗料「ニッペ パーフェクトインテリアEMO(エモ)」を新たに開発し、注目を集めている。これはハケやプラスチックヘラなどを使い、自由にランダムな模様をつけることで、独創的な意匠を表現できる内装仕上げ塗料。一般的な塗料が「ムラなく均一に塗れる」ことを条件としているのに対して、パーフェクトインテリアEMOは、あえてムラを出すことで、ランダムな模様が光を反射し、室内空間に表情と奥行きを創出する。コンセプトは「空間にemotionalな輝きを」。他社にはない高意匠塗料により差別化を進めていきたい考えだ。