ダイドーハント(大阪府吹田市)と栗山百造(新潟県三条市)が製造、販売する「フロッキン狭小壁」は、柱頭金物、柱脚金物、アンカーボルト、面材、専用のドリフトピン、ビスなどで構成する在来軸組工法対応の狭小耐力壁だ。柱頭と柱脚に専用の粘り強い金物を使い、ビスの配置などを工夫することで、柱芯350㎜巾で壁倍率7倍相当を確保した。狭小住宅で玄関正面にビルトインガレージを設置すあるいは一般的な耐力壁から狭小耐力壁に置きかえることで、より開放的な空間を創出できる。
また、「中柱型」、「隅柱型」、「隅柱型直交梁勝ち又は通し柱」など、様々なパターンの納まりで試験を行い、強度データを確保しており、確認申請もスムーズに行える。設計マニュアルも用意し、難しい構造検討をする必要がなく一般的な構造計算ソフトで入力できる。
記者の目
近年、「狭小地の住宅でも設計プランの自由度を高めたい」、「非住宅木造で付加価値を高めた提案をしたい」といったニーズが増加しており、差別化戦略を図る住宅事業者の間で狭小耐力壁の需要が高まってきている。
「フロッキン狭小壁」は、シンプルな材料の構成で、施工が簡単であること、また、様々な納まりへ対応し一般的な構造計算ソフトで入力できることなど、使い勝手の良さから高い支持を集めている。ウッドショックにより、外材が手に入りにくくなったことを受けて2022年9月には国産スギを使用した新仕様を追加し木材の適応範囲を拡大、進化を続ける。
差別化を進める住宅事業者の強力な武器として今後も注目を集めそうだ。
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