デザインにこだわりを持つ建築家やビルダーなどにターゲットを絞り、これまでの窯業系サイディングの延長線上ではない、新しいコンセプトの外装 /内装用建築素材として開発した新ブランドの商品が「SHiZEN」だ。「シンプルだけれどもノーマルではない、さりげない個性があるもの」、「シンプルなパネルで素材感があるもの」といったニーズに応えた。
建物のフォルムをより美しく見せるシンプルなデザインが大きな特徴で、木目調やタイル調などのフェイク意匠ではなく、フラットな素材に塗装や仕上げによって表情にアクセントをつける。建築家が手掛けるようなキューブ型住宅での全面使いなどに最適な商品だ。
フラットベースの表面に施した、ふわっとした色ムラが特徴の「OBORO」に続き、2021年に発売した「SAND」は板の表面に砂をちりばめ、よりマットな質感を追求、陽の光をやわらかく映し、暖かな印象を与えるデザインとなっている。
記者の目
デザインへのこだわりが強まり、自分らしさを求めるユーザーも増えている。住宅の意匠性はこれまで以上に大きな訴求ポイントだ。デザイン性を強みとする建築家やビルダーは、従来の窯業系サイディングを敬遠する傾向があると言われてきた。木目調、石目調、タイル調など自然素材を模倣するデザインを敬遠し、汎用品として普及していることが逆に個性を出しづらいと捉えられているようだ。
本当に窯業系サイディングで個性を演出することはできないのか──。SHiZENは窯業系サイディングの大きな挑戦といっていい。シンプルであるがゆえに、使い手の自由な発想を喚起する。これまでになかった新しいコンセプトの外装材として、設計事務所やデザイン系ビルダーから高い評価を受けている。
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