制震テープは、高層ビル用の制震装置に使用されている粘弾性体を、木造住宅用として厚さ1mm、幅30mmと100mmの両面テープ状に加工したもの。柱・梁と合板などの面材の間に挟み込むことで、優れた制震効果を発揮する。ビル用の制震装置をそのまま住宅用に転用するには、その性能が高すぎるため不向きであったが、粘弾性体に着目し、両面テープ状に加工したことで住宅用の制震材料として使用できるようにした。
木造住宅の弱点である釘接合部を狙い制震テープで補強
木造住宅では、柱・梁に面材を釘打ちすることで構造的な強さを確保しているが、くり返しの地震に見舞われると釘穴が緩み、釘自体が曲がり、建物の強度が低下し、倒壊する危険性が高まる。こうした課題を解消するアイテムが制震テープ。柱・梁と面材の間に制震テープを挟み込むことにより粘弾性体が地震エネルギーを熱エネルギーに変換し地震力を低減する。同社が実施した実験では、無施工の場合と比較して、地震時の揺れを最大80%低減できることが確認された。また繰り返しの地震にも優れた制震性能を発揮することも確認している。