「高さ制限をクリアして建設できる」、「居住空間を広く確保しやすい」、「よりシンプルな納まりになり、建築コストも抑制できる」といった特長を持つ立平葺きの金属屋根。縦長の一枚もので、高い防水性と、低勾配に対応できるといった点でも高い評価を得ており、人気が高い。
一方で、明確な施工標準がなく、職人の技能による施工品質のばらつきが指摘されている。工業製品として、一枚ものも多くあるが、「長過ぎるため、長距離輸送、狭小地・狭隘地などへの配送・荷揚げには不向き」、「2人以上の施工が必須」といった運送面や施工面での制約は多い。
ジョイント立平は、立平葺きの金属屋根の欠点を克服し、ジョイント機能を持たせた業界初の嵌合式立平葺き屋根だ。高い防水性能、低勾配対応といった従来の縦葺き金属屋根材の強みを維持したまま、省施工・品質安定化を実現し、より扱いやすい。2021年より、関東と関西に在庫拠点を設立し一般販売を開始している。
記者の目
立平葺き金属屋根の強みはそのままに、ジョイント機能を持たせ、運送面、施工面の課題を克服したジョイント立平。発売から6年目を迎え、3300棟を超える物件で採用。面積換算で50万㎡を超え、市場の評価の高さを現している。また発売以来、漏水や飛散は一切発生していない。2020年4月の民法改正により、「瑕疵」という文言が「契約不適合」へと言い換えられた。住宅の品質がこれまで以上に問われる時代になってくる。職人不足が深刻化する中で、いかに職人の属人的な要素を排して安定した品質を確保していくかは、住宅事業者にとって避けて通れない課題だ。運送の効率化、現場施工の省力化、施工品質の安定化に寄与するジョイント立平への注目度はさらに高まっていくだろう。
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