兼松サステックのニッサンクリーンAZN処理木材は、業界で唯一の乾式保存処理木材だ。
処理装置内に木材を入れて、減圧・加圧処理を行い、有機溶剤に溶かした薬剤を注入するというもので、処理装置内で溶媒を揮発させることで木材内部に薬剤のみを留めることができる。
水を使用していないため再乾燥は不要で、木材の寸法や形状が変化する心配もなく、納品から施工までの時間も短縮できる。エンジニアリングウッドなど、ほとんどの木質材料に対応する点も特徴のひとつ。
同社では、茨城工場(茨城県常総市)において、2021 年4 月から防蟻処理を施したCLT や構造用集成材などの9 品目で日本住宅・木材技術センターの優良木質建材等認証(AQ 認証)を取得。CLTの加圧注入保存処理材のAQ 認証取得は国内初である。
木材内部まで薬剤を浸透
より確実な防腐・防蟻効果を付与
木材処理の方法は、表面処理と加圧注入処理という2つに大別される。表面処理は手間やコストが少ないというメリットがある一方で、「薬剤の塗りむらが生じ、均一な効果が期待できない」、「割れなどが起きると、薬剤を塗っていない部分が露出してしまう」といったデメリットがある。
ニッサンクリーンAZN 処理木材で採用している加圧注入処理は、「薬剤を木材内部にまで浸透させ、むらなく薬剤注入できる」、「木材に浸透する薬剤の量が多いため、割れなどが起きても効果が持続する」といったメリットを備えており、より確実に木材の防腐・防蟻効果を発現させることができる。高い効果が認められ、国立競技場のトラックの屋根の木材にも、乾式処理が採用された。
独自の乾式処理を開発
幅広い木材材料に利用可能
ニッサンクリーンAZN処理木材は独自に開発した「乾式処理」を採用している。水を一切使用しないため、寸法変化がほとんど起きず、接着剤への影響も少なく、エンジニアリングウッドにも安心して処理できる。兼松サステックでは、エンジニアリングウッドにそのまま加圧注入でき、優れた寸法安定性を確保できるという乾式処理の強みを生かし、土台だけでなく柱、梁、耐力面材などの構造材、野地合板など、住宅で使用するあらゆる木材にも乾式処理を施す提案を強化している。