早川ゴムはフラットな陸屋根向けに、シート防水工法「サンタックIBシート防水」で豊富な実績を持つ。揮散・浸出の少ない高品質な可塑剤を用いることで、長期間、日光にさらされても紫外線劣化しにくい特性を持ち、長期に渡り防水機能を発揮し続ける。防水保証10年の2倍以上、20年以上の耐用年数を有する。また、水蒸気を透過する性能を持ち、下地の水分をシート表面から徐々に排出するため、脱気筒を設置する必要もない。さらに自己消火性能も有しており、他の防水材料と比較して、外部からの飛び火に対して優れた難燃性を発揮する。
こうした実績、ノウハウを生かして2021年5月、CLT 建築向けの防水下地「IBHDF‐CLT 工法」において、業界初となる飛び火認定を取得した。防火地域・準防火地域においても、フラットな屋根を採用したCLT 建築を建てやすくなる。
同工法は2022年のウッドデザイン賞 を技術・建材分野で受賞している。
記者の目
建築物木造化の強力な追い風が吹く中で、住宅、非住宅を問わず、木材活用が拡大している。ゼネコンなどが木造化推進の一環として大規模建築でCLTを活用する動きはあったが、ここにきて4階建て、5階建ての中層建築や住宅の分野においても、CLTを活用して差別化につなげようとする動きが目立ち始めている。とはいえ、新しい建築材料であるゆえに、実際にCLT建築を建てようとすれば、防火、防水の課題をどのようにクリアしていくのかが問われる。そうした課題をクリアするために早川ゴムは、CLT建築向けの防水下地「IB‐HDF‐CLT工法」を開発した。防火、防水性能を確保し、かつCLTの特徴を生かしたフラットな屋根を実現できる。CLT建築を陰で支える防水工法として注目を集めそうだ。
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