国内最大のパーティクルボード(PB)メーカーである日本ノボパン工業は、主力商品として9㎜厚の構造用PB「novopanSTPⅡ」(以下、STPⅡ)を製造・販売する。2004年から国土交通大臣認定を取得し販売を開始。2007年にSTPⅡへとバージョンアップを図った。床勝ちや高倍率の認定も取得するなど、より使いやすい形へと進化している。2018年3月に、耐力壁の改正告示が施行され、木造軸組工法、枠組壁工法、それぞれにおいて高倍率の耐力壁に厚さ9mmの構造用PBを使うことができるようになった。高倍率の仕様が設定され、より使いやすい環境整備が進んでいる。
発売当初から販売は順調に伸びており、住宅1棟あたり70枚使用すると換算し
て、2021年までの累計採用棟数は約80万棟超に上る。現在、月産1万3000㎥を生産、供給している。
記者の目
近年、戸建住宅において、筋かいから耐力面材へという流れが着実に進んでいる。筋かいは、柱・梁との接合部に力が集中するため、脆性的な破壊を起こす恐れがある。対して、耐力面材は面全体に力を分散させ、地震・台風などの外力に対して粘り強く抵抗する。様々な素材の耐力面材がある中でも、近年、存在感を高めているのがPBであり、日本ノボパン工業は主力商品としてSTPⅡの販売を伸ばす。合板の2倍超のせん断剛性、表面が硬い一方で破損しにくい点、釘がめり込みにくい粘り強さ、耐水性など、様々な性能を備え、品質、価格の安定性も含めて信頼獲得につながっている。徹底的に合理化を進める大手の戸建分譲事業者などから採用されるケースも増えている。「一度使っていただけると、リピーターになってもらいやすい」(同社)という言葉にも頷ける。
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