住宅業界で職人不足が深刻化する中、基礎の分野でもその傾向が強まっている。
その結果、工期が長期化している。ジャパンホームシールドが住宅事業、建設会社90社を対象に実施したヒアリング調査によると、最多の44の事業者が、住宅基礎の工期は「3週間」と回答した。「基礎工事業者は掛け持ち現場が多く、現場に職人がいない日も多い」、「春休みの引渡しに向けて年末年始の期間は特に混む。工事開始を1ヶ月待つこともある」といった課題を抱える声も聞かれた。
さらに、入職者の減少により、技術継承が進まず、結果として品質低下のリスクも高まっている。具体的には、型枠を外したコンクリート構造物の表面に砂利が凝集・露出する「ジャンカ」や、コンクリートを打ち重ねる際に一体化せず、打ち重ねた部分に不連続な面が生じる「コールドジョイント」のほか、「天端が波打つ」、「アンカーが垂直ではない」といった不具合が発生するリスクが高まっている。
こうした現状を踏まえて、ジャパンホームシールドが開発したのが、工場で住宅基礎を製造する新工法「アイランドベース」だ。工場生産により、工期を短縮できるだけでなく、品質の向上も図ることができる。