近年、外壁の通気工法の普及に伴い、バルコニーの手摺壁でも通気層を設けることが多くなってきているが、「納まりが確立されていない」「施工が入り組む」といった理由で漏水・結露事故が多発している。手摺壁の上から、養生材の役割も兼ねてサイディングを捨て張りして脳天から釘打ちするという納まりが採用されるケースが多いが、この場合、通気層を完全に塞いでしまうため、優れた防水性能を確保できる一方で、通気は全く確保できないという課題がある。また、近年、バルコニーの笠木周辺部の通気・換気口に、専用の換気部材を施工するケースも増えているが、「防水性能が十分でない」「サイズバリエーションが少なく笠木部材に合わせにくい」といった問題点も指摘されている。
優れた防水性能と通気性能を両立
こうした課題を受けて日本住環境がバルコニーの笠木下に施工する換気部材として開発したのが、「笠木天端スペーサーN/W」だ。独自の通気構造を採用することで、優れた防水性能と通気性能を持たせた。最大の特徴は、手摺壁の上部にも通気経路を確保したこと。これにより腰壁の両側に設けた通気層に溜まる湿気を効果的に集め、排出できる機能を持たせた。また、通気口をバルコニーの室内側に設けることで、外壁側からの雨水の浸入を抑制できるようにした。