巨大地震に備え、建築基準法以上の強さを
近年、住宅の耐震性能は大きく向上した。しかし、首都圏直下型地震など巨大地震の発生が予測されるなかで、建築基準法で定められたレベルで留まることなく、もっと高い性能を目指す必要があるという声もある。東京合板工業組合と東北合板工業組合傘下のメーカーが製造する厚さ24mmの構造用合板「ネダノンスタッドレス5+(ファイブプラス)」は、「耐震性能の向上に向けて、出来ることは最大限やろう」という発想のもとに生まれたものだ。
最高7倍の壁倍率建物をより強固に
ネダノンスタッドレス5+を用いた耐力壁は、倍率5.0倍の国土交通大臣認定を取得している。倍率5.0倍という性能値は大臣認定では最高ランク。実際の実力値としては、壁倍率5.9〜7倍という耐力を備えている。なお、一般的な9mm厚の構造用合板の壁倍率は2.5倍。ネダノンスタッドレス5+を活用することで、間柱を省略することも可能になる。また、間口が狭い都市部の狭小住宅などでは、壁を少なくすることで、より広く開放的な居住空間の実現にも貢献する。
エネルギー吸収能力で予想以上の巨大地震にも対応
ネダノンスタッドレス5+を採用した住宅では、まず優れた耐力で地震の揺れに持ちこたえる。これにより、ほとんどの地震には対応できるが、基準法の想定外の巨大地震でも、その優れたエネルギー吸収能力により倒壊しにくいと考えられる。通常の厚さの構造用合板であれば、大きな変形により、柱に固定している釘が抜けて建物は倒壊するが、「ネダノンスタッドレス5+」は、75mmという通常よりも長い釘で柱に固定しており、“完全”に釘が抜けきる可能性は低い。これによって住宅に“粘り”をもたらすというわけだ。