「木の塗り壁Mokkun」は、森林浴を家の中やオフィスの中で体験できるように開発された100%自然素材の木の塗り壁だ。Mokkunを開発したヤマガタヤ産業は、高級建築用材として知られる東濃桧(とうのうひのき)の産地、岐阜県に本社を置く老舗材木屋。プレカットの製材工程で発生する東濃桧の端材、未利用資源をなんとか有効利用できないかという「もったいない」の発想からMokkunの開発が始まった。材料はすべて自然素材にこだわり、木材を50%以上配合しながらも、試行錯誤の末、不燃材の認定を取得している。
Mokkunを内装に使うことで、木の力で調湿、抗菌、消臭、虫よけなどの効果を発揮する。岐阜大学をはじめ、いくつかの研究機関との共同研究により、健康面においてもプラスの効果があることも分かり始めている。
1袋あたり約3㎡施工可能(1.5mm厚で施工の場合)
戸建住宅のリビングにMokkunを施工した事例。焼き肉をした次の日にも匂いが残らないと好評を得ている
記者の目
脱炭素社会の実現、SDGsといった観点から、循環型資源である木材を積極的に建築物に使っていこうとする機運が高まっている。構造材だけでなく、内装も木質化して、より多くの木材を使う事例も増えている。とはいえ、羽目板などで壁も木質化すると、圧迫感を感じるという人は少なくない。その点、ヤマガタヤ産業のMokkunは、木材を50%以上配合しながら、見た目は木ではない塗り壁であるため、圧迫感のある空間になることを避けながら木材を積極的に活用することができる。健康面でのプラスの効果も見逃せない。岐阜大学 応用生物科学部学部長 光永徹教授などとの共同研究により、「抗ストレス」、「抗不安」、「アルツハイマー型認知症改善」、「作業効率向上」、「睡眠の質改善」などの効果を発揮することが分かり始めている。「エコ」と「健康」、2つの時代のニーズを満たす木の塗り壁であり、今後さらに認知度、人気は高まっていきそうだ。
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